ワイヤードという空間を得て,消費者は強い意見を出せる空間を手に入れた。それはもしかしたら言いがかりや因縁である可能性もあるが,逆に今まで口をつぐまされていた正義なのかもしれない。それが表に出られる場としてワイヤードがあるとしたら,高く評価できることなのだが。
ベネッセ問題というのがある。ベネッセの出版物に登場して子供たちやその親に大変な人気者になっている「しまじろう」というキャラクターを扱っていた個人のホームページが,ベネッセから弾圧を受けているというもの。十分にベネッセとやり取りをしながら制作していたものが,とある日からホームページの閉鎖やキャラクターの使用の厳禁などを脅しまがいで云われだした。ベネッセは公式にしまじろうをメインキャラクターとするページを制作している。旧しまじろうのページの18日の更新によると,ベネッセとページ制作者のところに新聞記者による取材が入ったようで,問題が大きく拡大するおそれもある。
同じように企業との絡みで話題になったものに東芝のサポート問題に関したものがある。これは東芝のビデオデッキの故障からトラブルが生じ,サポートデスクとの電話の応答内容をリアルオーディオで掲載しているというもの。ともに形は違うが,対企業とのトラブルを大きくウェブ上で展開しているものだ。
今まで,云いたくとも云う場所がなかった人々にとって,ワイヤードは格好の意見のはけ口ともなるようだ。企業は,十分な注意をもってそれに接しなければ,大きなイメージダウンと,もしかしたら実質的なダメージも受けるかもしれない。ベネッセの今回の反応は,自分のところの掲示板に書かれた上記の事件に関する書き込みに対し,意見を交わさずに掲示板を一時休止にするなど,あまり褒められるものでなかったことは確か。まだ,ワイヤードの力をわかってないんだろうなぁ。
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